ルーペで漫画を読む老婆
カフェでおばあさんが漫画を読んでいた。
文字が小さくて読みづらいのか、ルーペを片手に持って読んでいた。
漫画は雑誌ではなく単行本で、手を離したら閉じてしまう。開いた状態を片手で維持するのが大変そうだった。
もっと楽に本を読む方法はないものか。
と思ったが、実は人類はかなり昔にこの問題を解決している。
そう。メガネである。
ルーペを持つかわりにメガネを顔に装着する。そうすることで両手が自由になり、本を両手で持つことができる。
おばあさんはメガネの存在を知らないのだろうか?
いや、そんなことはないだろう。幼い子どもならともかく、この国でメガネを知らない人などそうそういない。
だとすれば、何か事情があってルーペを使っているに違いない。
きっとそのルーペはおばあさんの家に先祖代々伝わってきた道具で、おばあさんにとってはそれを使って本を読むことが何より大切なことなのだ。
人にはそれぞれ自分のルールがある。他人がとやかく言うことではない。
自分が自分らしく生きるための、自分のルール。
自分自身が納得できる生き方をしたい。
ルーペの話がルールの話になった。
なぜだろう。
解釈を拡大しても、よくわからない。