セミの寿命
街路樹が立ち並ぶ道。セミが鳴いている。
鳴き声の大きさからして、相当な数のセミがいるようだ。夏だな、と思った。
昔、セミの成虫の寿命はおよそ一週間だと言われていた。現在では1ヶ月ほど生きるものもいると言われている。
初夏に鳴いているセミは、夏の終わりにはもういない。ひと夏の命。人間の感覚でいえば短い命だと感じる。
一般的な寿命で考えれば人間のが長生きだが、いつ死ぬかわからない状態で今日を生きているというのは人間もセミも同じことだ。
いつ死んでも悔いが残らないように生きる、というのができればいいのだろうが、それがなかなか難しい。毎日なんとなく生きてしまう。
ある日、ふと気づく。自分がムダにしてきた時間の多さに。その時間は取り戻せない。間違いなく後悔する。
一日一日を大切に過ごすべきだ。
なんてことは、たぶんみんなわかっている。
わかっているのに、結局毎日なんとなく生きてしまう。
一日一日を大切に過ごすというのは、実はとても難しい。
それでも、やるしかない。