みかんを制するのは人間か、カビか。
みかんを食べようと思ったら、カビが生えていた。そのみかんをどけてみると、隣にあったみかんもカビていた。結局、8個中6個がカビていた。数日前にはカビていなかったように思う。カビの繁殖力はなかなかのものだと感じだ。
みかんを食べたい人間の立場からすると、みかんのカビは邪魔な存在である。カビの立場からすると、生きるために繁殖しているのであり、みかんを食べたい人間のことなど関係ない。
この場合、人間とカビのどちらの気持ちが強いかでいうと、おそらくカビだと思う。「そのみかんを食べなければ死ぬ」くらいに追い詰められている人間であれば別だが、たいがいは軽い気持ちでみかんを食べようとしている人間である。生きることに対する気持ちの強さはカビの方が強いのではないかと思う。
今回の私の場合、何が何でもみかんを食べたいという気持ちがあれば、保管方法に気をつかうなどの対応が取れたはずだ。しかしそれを怠った。気持ちの差でカビに負けたのである。
人間とカビの両方に狙われている立場のみかんとしては、どちらにしても迷惑な話かもしれない。