ドーナツとの戦い
冷蔵庫で保管していたドーナツを食べようとして口に入れたのだが、硬すぎて噛みきれなかった。
「石かな?」と思って口から出して目視確認したが、ドーナツだった。
チョコレートでコーティングされた部分が石のように硬い。
フォークでも使って切ろうかと思ったが、それではドーナツに負けたような気がするので、自分の口で真っ向勝負することに決めた。よくわからない意地である。
この勝負は、アゴの強さよりも歯の強さがポイントとなる。
そしてこの場合、歯の硬さというよりも歯茎の強さが重要である。
どんなに歯が硬くとも、それを支える土台である歯茎が弱ければ、ドーナツに歯をもっていかれるからだ。
精神を集中する。
ドーナツを口に入れてかじると、歯がドーナツに当たり、抵抗を受ける。やはり硬い。
ここからが勝負だ。
思い出せ。これまでの人生で、もっと硬いものもあったはずだ。ひと冬を越したあずきバーの硬さを思い出せ。
グッと力を入れて噛み込むと、私の歯がチョコレートの防御力を突破した。
勝った。
私は勝利とドーナツを噛み締めた。
結論:ドーナツは冷蔵庫に入れないほうが吉。