メガネケースに仕事を与える
使うときに使わなくて、使わない時に使うものってなんだ?
というなぞなぞがある。
これの模範解答は「風呂のふた」だが、他にも正解がある。
そのひとつが「メガネケース」である。
メガネケースを使う時はメガネを顔に装着していない時だ。
しかし、「メガネを外したら必ずメガネケースに入れる」という人は少数派だろう。
メガネケースとは、メガネを入れるために存在するものである。
その役割を果たせずに、空っぽで眠っているメガネケースがおそらくたくさんいる。
まあ、メガネケースがなくても生活できると言ってしまえばそれまでなのだが。
メガネケースの立場で考えたら、なんだか切ない気持ちになる。「仕事ができないわけではないが、仕事を任されない」という状況に通ずるものがある。
視点を変えてみよう。
あなたは「床で寝る」か「ベッドで寝る」かを選べと言われたら、どちらを選ぶ?
おそらく「ベッドで寝る」を選択するだろう。
メガネケースはメガネにとってのベッドである。机の上にメガネを置いておく行為は、床で寝ろと言っているのと同じである。
メガネは視力を補ってくれている。人間を助けてくれている。メガネをいたわってあげよう。
そしてメガネケースにも仕事を与えてあげよう。それがメガネケースの存在を肯定することになるはずだ。